アリババの最近のブログ記事

アリババが1日で2.9兆円を売り上げたカラクリ
独身者の日を盛り上げた影の主役「花唄(ホワベイ)」とは

昨年の独身の日のアリババの売り上げが、一昨年をはるかに越して増加しました(1206億元から1683億元(約2.9兆円))が、その背景にはオンライン決済システムの強く影響していました。

まずこの2.9兆円の約9割はオンライン決済によって支払われており、その中でも存在感を見せたのが、よく知られたアリペイなどとはまた違う花唄(ホワベイ)が40%も占めたという。

決済スピードが早く、また一昨年のW11でも商品争奪戦の上繰り広げらえる獲得競争に、ホワベイを使えば獲得に成功できるなどの情報もあり、
一部の中国メディアではホワベイによる決済が最速で成功率も最高との報道もあったそうだ。

ホワベイはいわゆる与信限度額のある後払い方式(クレジットカードに近い)で、
W11に限って、与信限度額を増やし、購買意欲をそそったことも功を奏している。

与信限度枠を増やし、支払い遅延などは発生していないのか、との疑問がわくと思いますが、
これまた驚きでホワベイ利用者の99%が期限内に返済しているという。

延滞してしまうと自身の信用記録に支障をきたす仕組みになっているためで、
アリペイなどの日常的な決済にも影響がでてはいけないためだ。

W11には消費者の購買意欲をかき立てるセールと、それに柔軟に対応できる「信用」取引の決済システムをうまく連動させるからくりが存在しています。
ごくらく株式会社は企業の海外進出、マーケティングのサポートを行っています。

独身の日に進化する、アリババの最先端「スマートストア」:単なるイベントから実験の場へ

過去最高の売上高であったW11は記憶に新しいですが、そのうらにある販売戦略がさらに先端をいっていて、特筆すべき事項です。

オンラインではないリアルな小売店舗をこの独身の日のセールにオープンさせたことは前回のブログでも言及しましたが、
その背景としては80%以上の小売りの売上高は依然としてリアル店舗であることとのことですが、
そこで展開しているテクノロジーがこれまたすごい。

ストアの目玉のひとつが「マジックミラー」と名づけられたデジタル画面で、買い物客はこれを使ってサングラスや化粧品、衣料品をバーチャルに試着できる。
商品を気に入ったら、スクリーン上のQRコードをスキャンして、アリババのモバイル決済サービス「アリペイ(Alipay)」で購入できる。

テクノロジーを融合させ、最後にはアリペイの決済サービスも含めたシナジーで顧客の購買行為を楽しませながら誘引しています。

別の目玉が拡張現実(AR)ディスプレイエリアで、買い物客はここで商品画像をスキャンして、Tモールの商品掲載ページにアクセスしたり、クーポンを受け取ったりできる。
また、ロレアル傘下の音波洗顔器ブランド「クラリソニック(Clarisonic)」は、ポップアップストアに自動販売機を設置し、レジの列に並ばなくても商品を購入できるようにした。

ここでもTモールとのシナジーが発揮されています。またクーポンの配布なども中国人の購買行動をよく理解したうえでの戦略が綿密に練られています。

オンライン、オフライン店舗の両面で展開するだけではなく、既存のEC販売サイトや決済ツールとも連動しつつ、
リアル店舗での消費を喚起するアリババグループの販売戦略。

スーパーなどの日用品にも展開していますし、他の産業材についても多角化経営を図っているアリババグループ。

消費者との一番最初の接点となるソーシャルメディアなどのインターフェイスを持ちつつ、最後の接点となる決済のインターフェースも持つアリババに、当面死角はなさそうです。

国外のサプラーヤーの数も商品点数も増えていることから、今後も消費の規模の拡大が見込まれます。
日本の企業も今のタイミングを逃すと、競合に先にシェアを取られてしまいますので、今が仕掛けるときです。

ごくらく株式会社,越境EC,WEIBO,微博,微信,テンセント,アリババ,海外進出,WEBマーケティングを行っています。

アリババ、「独身の日」に向け大規模な実験

11.11は独身の日でした。今年は過去最高となる1682億人民元(約253億ドル/約2.87兆円)となり、貨物量は昨年の35%増の約15億個だったとのことです。
開始からわずか2分1秒で1130億円の売り上げとのことで、その結果には驚くばかりです。

今年は新しい試みとしてオンライン店舗のみならず、オフライン店舗を活用した流通を行ったようです。
通常ですと問屋や卸売業者が流通に入るところを、アリババが自社倉庫から国内の約60万店の小売店へ直接出荷するという話です。

小売店に利益を還元し、アリババが得たのは消費者の購買情報データです。
ビッグデータこそが資産といっているアリババらしく、情報・データこそが資産だと認識している証拠です。

オンラインだけではなくオフラインも活用したアリババのセールは過去最高の売り上げとなり、数十%の伸び率です。
どこまでも勢いが衰えないアリババグループ。

アリババグループの戦略を忠実に読み解き、中国人の購買行動をよく理解することが、中国向けのマーケティング戦略の第一歩です。

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アリババとテンセントで加速する多角化戦略「選択と集中」を無視した企業戦略は暴走なのか?それとも新しいビジネスモデルの誕生なのか?

BAT(BAIDU, ALIBABA,TENSENT)と呼ばれた3強時代は、いまやアリババとテンセントの2強になりつつあります。
10月17日現在のアリババの時価総額は4490億USD(50兆5000億円)、テンセントは3.37兆HKD(48兆4000億円)、それに対して百度の時価総額は937億USD(10兆5000億円)で、2大巨人の急成長の前に百度は2割程度の規模感になってしまいました。

売上ですが、アリババが251億USD(2兆8000億円)テンセントが221億USD(2兆5000億円)、百度が100億USD(1兆1200億円)、最終利益に関しては、アリババが65億USD(7300億円)、テンセントが62億USD(7000億円)、百度が17億USD(1900億円)となっています。

興味深いのは、アリババもテンセントもM&Aにより本業以外のいろいろな事業を買収して規模を拡大していることです。
世界の経営史を振り返ると多角化戦略により企業は失敗し、選択と集中により経営資源を集中させるということが経営研究の中で言われてきましたが、この2強はそれを無視するかのように本業以外の事業をM&Aで買収し、多角化戦略を取っています。
なぜでしょうか?

アリババの本業はタオバオやTMALLなどのEコマース事業で、テンセントはゲームが本業です。そしてそれぞれアリペイ、We Chatペイと決済システムを有しています。
しかし、アリババの創業者ジャック・マーによると、現在は産業革命の真っただ中で、その源泉はビッグデータにあるとのことです。
エンタメ、医療、自動車、旅行等の分野で積極的投資を行っているのは、オンライン決済システムやソーシャルメディアやWeb アプリを通じたますマーケティング、
すなわちビッグデータの活用が根底にあり、それを実現する事業領域として医療や旅行、自動車等の分野でこうしたビッグデータを活用したAIによるIT革命を志向しているとのことです。

今後、あらゆる事業が数字によって管理されるようになり、それをこれらの2つの企業が実態と決済をおさえていたとしたら。。。
ビッグデータの活用によりあらゆる事業領域で、中国全土、および全地球規模でのマーケティングを自社で行うことができる企業。。。
アナログでやってきた企業はビッグデータの前に太刀打ちできるのでしょうか?
アリババ、テンセント、両社とも末恐ろしい企業になりそうです。
彼らの事業戦略といかに同調して、マーケティング戦略を構築できるかが、日本企業の中国事業の成否を握っています。

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