独身の日に進化する、アリババの最先端「スマートストア」

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独身の日に進化する、アリババの最先端「スマートストア」:単なるイベントから実験の場へ

過去最高の売上高であったW11は記憶に新しいですが、そのうらにある販売戦略がさらに先端をいっていて、特筆すべき事項です。

オンラインではないリアルな小売店舗をこの独身の日のセールにオープンさせたことは前回のブログでも言及しましたが、
その背景としては80%以上の小売りの売上高は依然としてリアル店舗であることとのことですが、
そこで展開しているテクノロジーがこれまたすごい。

ストアの目玉のひとつが「マジックミラー」と名づけられたデジタル画面で、買い物客はこれを使ってサングラスや化粧品、衣料品をバーチャルに試着できる。
商品を気に入ったら、スクリーン上のQRコードをスキャンして、アリババのモバイル決済サービス「アリペイ(Alipay)」で購入できる。

テクノロジーを融合させ、最後にはアリペイの決済サービスも含めたシナジーで顧客の購買行為を楽しませながら誘引しています。

別の目玉が拡張現実(AR)ディスプレイエリアで、買い物客はここで商品画像をスキャンして、Tモールの商品掲載ページにアクセスしたり、クーポンを受け取ったりできる。
また、ロレアル傘下の音波洗顔器ブランド「クラリソニック(Clarisonic)」は、ポップアップストアに自動販売機を設置し、レジの列に並ばなくても商品を購入できるようにした。

ここでもTモールとのシナジーが発揮されています。またクーポンの配布なども中国人の購買行動をよく理解したうえでの戦略が綿密に練られています。

オンライン、オフライン店舗の両面で展開するだけではなく、既存のEC販売サイトや決済ツールとも連動しつつ、
リアル店舗での消費を喚起するアリババグループの販売戦略。

スーパーなどの日用品にも展開していますし、他の産業材についても多角化経営を図っているアリババグループ。

消費者との一番最初の接点となるソーシャルメディアなどのインターフェイスを持ちつつ、最後の接点となる決済のインターフェースも持つアリババに、当面死角はなさそうです。

国外のサプラーヤーの数も商品点数も増えていることから、今後も消費の規模の拡大が見込まれます。
日本の企業も今のタイミングを逃すと、競合に先にシェアを取られてしまいますので、今が仕掛けるときです。

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このページは、GOKURAKUが2017年11月19日 16:49に書いたブログ記事です。

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