インドネシアで日本企業が大躍進
男性化粧品の雄マンダムの海外売上比率は、今期(2014年3月期)40%に達する見通しとなった。特に、海外事業を牽引するインドネシア現地法人「マンダムインドネシア」の業績が好調で、今期(2013年12月期、年1回12月決算)の売上高は、前期比約52億円増の187億4600億円を見込む。ここへきて同インドネシア法人は、インドネシア国内の需要拡大に対応し、合わせてアジア全体の製品供給体制を確立するため現在、37億円を投じて本社社屋と仕上げ工場を2014年12月完成目指して建設中だ。
マンダムは、2014年3月期に連結売上高660億円以上、総売上高に占める海外売上構成比を40%に持って行くことを骨子とした3ヵ年中期計画を推進中。マンダムの成長エンジンと位置付けづけるる海外での売り上げ比率は、前期(2013年3月期)でインドネシアとその他海外事業の売り上げを合わせて36・8%に達する。今期は、インドネシアの売り上げが大幅に増えることから海外での売り上げ比率は、前期比3・2%増の40%に達するのは確実な情勢。
インドネシアでのマンダムの成功の歴史
マンダムインドネシア概況
引用:自社HPより
財務
製品商品群
引用:山下充洋氏(元マンダム・インドネシア社長,本社執行役員) 2012年6月6日「日経BPインドネシアセミナー発表資料
チャネル戦略
マンダムインドネシアは1997年にジャカルタ証券取引所に上場
現在、インドネシア・ジャカルタ証券取引所に上場(1997年)し、フイリッピン、タイ、マレーシアでの販売拠点に位置付けているインドネシア現地法人「マンダムインドネシア」(1969年設立)は、男性整髪の「ギャツビーブランド」をアジアグローバルブランドとして確立するため、スーパーやコンビニ大型流通のモダンマ―ケットでの小売販売と伝統小売市場であるトラディショナルマーケットの両面作戦で攻勢をかけている。
営業拠点は100拠点以上
現在営業拠点は約100拠点ありますが、まず初期に進出したのが、ジャカルタ、スラバヤ、メダン、ジョグジャカルタ、パレンバン、ジャンビなど、一般に「12大都市圏」と言われているエリアです
現在の導入店舗数は 39万店舗を超えます。
地域別の売り上げ分布がインドネシア国内の人口分布とほぼ一緒です。決して大都市に偏ったり、特定のエリアでの売り上げに頼っていない。これは40数年かけて戦略的かつ継続的に流通網を広げていった結果です。
インドネシアのヘアスタイリング分野の70%のシェアを獲得
同社では、「現在、インドネシアの化粧品市場規模は、28兆2261億ルピアに達し、同市場に占めるマンダムインドネシアのシェアは、約5%強にのぼる。また、ヘアスタイリング分野におけるシェアは、70%強を占める。インドネシアの経済成長に伴う生活者の所得向上で、購買力も向上し生活者のニーズが多様化している。これに対応して男性、女性共にフェイス&ボディケアカテゴリーの新製品を投入して販売を強化し、売り上げ拡大に繋げる」と言う。
しかし、インドネシア市場で、競合他社との攻防が一段と激しさを増してきたのも事実。化粧品市場の30%強を占めるヘアケアカテゴリー分野にP&Gとユニリーバが進出し、現地に生産工場を建設して供給体制を強めるとともに、現地の代理店と提携して販売チャネルの拡充に取り組むなど攻勢に出ている。また、男性のスキンケアでは、Garnie、Vaseline、OXYなどの化粧品ブランドに加えてロート製薬や中国、韓国メーカーも加わって激しい争奪戦を繰り広げている。
こうした中でマンダムインドネシアは、高品質で低価格な製品の安定供給を狙いに現在、容器成型工場があるチビトン地区に本社社屋と生産仕上げ工場を建設しており生産能力を1.6倍に増やす。
なぜインドネシアで日本企業が大成功を成せたのか?
- 若者のオシャレ市場が存在していたこと。
所得が低いがインドネシアの若者は、オシャレに対しては、日本人よりも敏感である。
- スタイリング剤市場へは、他社よりも早く展開していた。
現地ではユニリーバー、P&Gなどのグローバル企業の展開があるが、商品に付加価値を追加する ことにより他社との差別化を実施。
- 徹底した現地化を実施。
インドネシアにおける、総務や人事の部門はすべて、現地人にて採用。これは消費者発想。消費者着。という原点。現地化は現地のWANTSをくみ取る最善な仕組み。
- グロシール・ワルンを通じて、現地に最適なサイズに変更。
1回使いきりの小袋化した整髪剤(8g、 300ルピア=約8円)の販売
- トラディショナルマーケットといわれる パパママストアをまず、儲けさせたこと。
モダーンマーケットとは、近代的な、小売りを指します。反対に、昔から存在する、小さな路面店などをグローシー・ワルンといいます。グローシーワルンの経営は脆弱でオーナーはキャッシュを持っていません。商品は先に調達して、売った分の殆どの利益を、商品の提供元に取られていしまいます。マンダムはこの流通システムに目をつけ、まず、ワルンの経営者を儲けさせることからスタートさせました。
引用:マンダムインドネシア資料 大石芳裕(明治大学経営学部) グローバル・マーケティング論
11億人市場へ向けインド進出
同社の海外拠点数は、現在、インドネシアを含めてタイ、中国、インドなど10拠点にのぼる。中国市場では、販売エリアを都市部から内陸部の省都にまで拡大し、若者男性へのスタイリング提案を行うなどして拡販に繋げている。また、タイ現地法人を中心にベトナムやミャンマーなどインドシナエリアでの販売拡大に乗り出し現在、現地代理店と協働して流通網の整備に取り組んでいる。2012年3 月に設立したインド現地法人「マンダムインディア」は、同年 7月から本格的にマーケティング活動を開始。現在、小売、店頭販売を強化しながら現地のニーズにあった商品開発を進め、人口11億人市場を取り込む。
facebookの展開でさらに飛躍する
インドネシアは、日本よりもfacebookの使用ユーザーが多い。スマホの浸透率も上昇しているため、今後のSNSへの展開を実施することにより、新たなポジショニングをつかむことができる。
ごくらく株式会社は海外進出に特化したWEBマーケティング事業を行っています。
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