訪日観光客の急増に伴い、日本のインバウンドビジネスが潤う昨今ですが、まだまだ時代の波に乗れていない企業も多いのではないでしょうか。
街へ一歩出れば、外国人観光客の姿を目にするのは当たり前になり、駅構内や店頭では、英語、中国語、韓国語など、現地語の表示看板も増えてきました。
今回は、企業目線からインバウンドビジネスを捉える策略として、2015~2016年にかけて、訪日外国人の総数、1人当たりの旅行消費額、どのようなものにお金を消費しているか、など、現時点で知っておくべき情報を提供致します。
・訪日外国人の総数
2015年度:1,973万人
2015年(1月時点):121万人
2016年(1月時点):185万人
2015年1月時点の訪日外国人数と、2016年1月時点を比較してみると、今年は昨年を上回るのは明らかである。
日本政府は東京オリンピックが開催される2020年までに、「訪日外国人数2,000万人」を目標としていますが、もう既に今年、目標達成されるのではないかとの声もある為、今後、この目標数を「3,000万人に引き上げる」と予想されています。
(以下参照)
日本政府観光局(JNTO)
2003_2016_tourists.pdf
世界各国、地域への外国人訪問者数ランキング(JNTO)
https://www.jnto.go.jp/jpn/reference/tourism_data/visitor_statistics.html
・国別訪日外国人の総数
2015年度の国別割合 1位:中国(383万人) 2位:韓国(285万人) 3位:台湾(277万人) 4位:香港(110万人) 5位:米国(75万人) 6位:タイ(54万人) 7位:豪州(26万人) 8位:英国(19万人) 9位:マレーシア(18万人) 10位:フィリピン(18万人)
上記から、中国人観光客の数が群を抜いて多いことがわかる。
・2015年度「訪日外国人の旅行消費額」
訪日外国人の旅行消費総額は1兆円を超えており、2016年には3兆円にまで達すると予想されている。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査 平成27年7-9月期の調査結果(速報)」図表4
http://www.mlit.go.jp/common/001106997.pdf
国別に見ると、やはり中国人観光客が最も多く金額を落としており、他国と比較にならない数値となっている。
訪日外国人1人当たりの旅行出資額は181,334円
(内訳)
買い物費:78,224円
宿泊費:44,954円
飲食費:30,320円
交通費:21,335円
娯楽・サービス費:6,438円
その他:59円
--------------------------
計:181,334円
観光庁 訪日外国人消費動向調査
http://www.mlit.go.jp/common/001106997.pdf
上記の内訳データからも分かるように、中国、台湾、韓国など、主にアジアからの観光客は「買い物」にお金を費やす傾向が高い。
しかし、国によって「何にお金を消費するか」の内訳は異なるため、外国人向けに自社の商品を販売するのであれば、ある程度ターゲットの国、エリアを絞って策略を立てるのが賢明と言えるでしょう。