・中国の財政部は越境ECに関する税制度改革を開始
・越境ECの6つの税制変更
・税制改革は越境ECの市場が縮小するという縮図ではない。
中国のEC市場は止まることのない、成長を実現している中、2016年4月8日に越境ECの税制変更が行われました。
まず、変更内容については
①1人の年間購入金額の上限は2万元(現状通り)
②輸入に関する増値税を30%減額し、全てに適用(増値税17%×70%=11.9%)
③消費税がかかる場合(商品によっては消費税がかかるケースがある)、30%減額で適用する(消費税30%の商品の場合、30%×70%=21%)
④行郵税を廃止し、現状の個人輸入関税50元までの免税措置を廃止
⑤1度の購入金額上限は2000元までに引き上げる(現状は1000元)
⑥購入金額の上限以下の購入商品に関し関税率は0%にする。ただし、上限金額を超える場合は、一般貿易と同じ税率を適用する
【政策】我が国は4月8日より越境EC小売輸入税収政策ならび行郵税政策調整を実施
公平な競争市場環境をつくるため、越境ECの健やかな発展を促進するべく、国務院は、2016年4月8日より、我が国が越境EC小売(企業対消費者,すなわちB2C)輸入税収政策ならび行郵税政策調整することを実施することを批准しました。
これまで、個人用かつ合理的数量の越境EC小売輸入商品が実際のオペレーションでは輸送物品に対して行郵税を徴収してきました。行郵税は非貿易属性の輸入物品に対してのものなので、関税や輸入時の増値税、消費税の三税の合併徴収に比べ、税率が普遍的に同様な輸入貨物の総合税率よりも低かったです。確かに越境EC小売輸入商品は郵送ルートを通じて輸入されるのだが、伝統非貿易性の荷物伝票、旅客の預かり荷物、親戚や友人に贈る物品などとは異なり、その取引には貿易の属性を具わっており、全ポイントで行郵税を徴収したとしても、全体的な税負担が国内販売されてる同様な一般貿易輸入貨物や国産貨物の税負担レベルよりも低いため、不公平な競争を形成した。これにより、政策として越境EC小売輸入商品に対し貨物に応じて関税や輸入時の増値税、消費税を徴収します。
越境EC小売商品に対し貨物に応じて徴税すると同時に、大部分の消費者の合理的な消費ニーズも考慮しなければならず、政策では一回あたりに行郵税政策では1000元(香港澳門台湾地区は800元)だった制限を2000元まで引き上げ、さらに個人の年間限度額を20000元とした。制限内で輸入した越境EC小売輸入商品では、関税税率は暫定的に0%と設定し、輸入時の増値税、消費税は徴税免除金額を取り消し、暫定的に法定徴税額の70%を徴収します。一回あたりの制限額の超過や累計して一度に個人の年間限度額を超過した場合、もしくは課税後価格が2000元を超過する単体で分割不可能な商品に対しては、すべて一般貿易方式で全額で全額徴税します。日頃の徴税管理オペレーションの需要を満たすために、関連部門は《越境EC小売輸入商品リスト》を制定ならび別途公布します。
現行の監督管理条件を考慮すると、暫定的に取引、決済、物流などの電子情報を提供できる越境EC小売輸入商品のみが政策実施範囲にあてはまります。越境EC小売輸入に属しない個人物品および関連の電子情報を提供できない越境EC小売輸入商品は引き続き現行の規定に従って執行されます。
また、税目構造を改良するため、旅客や消費者の申告、納税を便利にするべく、同時に我が国の行郵税政策を調整し、現在ある4段階税目(それぞれの税率は10%、20%、30%、50%)を3段階税目に調整します。その中で、税目1は主に最恵国税率が0の商品、税目3は主に消費税を徴収するハイエンドの消耗品、その他の商品は税目2に帰属します。調整後、各税目商品の行郵税税率と同様な輸入貨物総合税率と大体一致するように保持し、税目1、2、3の税率はそれぞれ15%、30%、60%となります。
両項目の政策の実施により、新興業態と伝統業態の支持、国外商品と国内商品の公平な競争に有利になり、市場効率の向上、共同発展を促進します。政策実施後、国内越境ECの発展が安定と統一した税収政策環境をもたらし、EC企業の公平な競争に展開を導き、ビジネスモデルの刷新奨励に有利になり、越境ECの健やかな発展を後押しすることで、消費者のユーザー体験(UX)向上に有利になり、消費者の合法権益が保護されます。
越境EC企業対企業(B2B)輸入は、オフラインで一般貿易方式で貨物輸入が行われ、引き続き現行の関連税収政策に従って執行されます。
*FindJapan 株式会社佐々木さんの翻訳。
4月8日の越境EC税制変更により、越境ECの市場の影響は?
結論 ありません。
理由
現在のハイタオ、所謂日本の爆買いの市場は6000億円、並行輸入の市場は2兆1000億円、正規品(ECに限る)の市場は9000億円です。この市場はまだまだ成長していきます。
中国では2013年以降の大きなパラダイムシフトが起こっています。 2013年以前は、中国政府がいわゆる情報規制を行うことにより、中国国民が正しい情報や、日本の情報を知る手段がほとんどありませんでした。
しかし、粉ミルク事件を記憶されている人もおおいですが、中国商品は危ないという情報を、ソーシャルメディアによって、多くの中国国民が知ることができるようになります。実際、良い商品を知ってしまった以上、過去の粗悪の商品に戻ることはできません。特に現在売れている日本の商品には3つの特徴があります。
①いつも使っているもの
②いままでほしかったもの
③友達や、親にプレゼントするもの
要は、日本の商品を購入する人達は、中国商品では満足できない年収200万ぐらいの女性消費者です。税規制は、その時点では注目されますが、浸透してしまえば、毎日税金のことを気にして買い物はしません。消費税が増税した2,3カ月は増税を意識しますが、1年もたてば忘れてしまいます。日本の商品を購入している熱狂的なファンは1560万人といわれています。日本の人口の10%を占めるこの熱狂的なファン層は、今後増えることはあっても減ることはありません。
中国政府は、中間所得層を現在の1,2億人から3,6億人まで引き上げると発表しました。
越境ecで日本商品を購入している消費者は、中国バブルの典型的な富裕層ではなく、年収200万ほどの女性たちです。この女性たちは、若干の増税は、良い商品や、欲しい商品を手に入れる障壁になることはありません。
余談ですが、日本から中国に商品が運ばれる際に、実際に厳しくチェックされたり開封されたりするのは、全体の2.5%-5%程度です。
まとめ
中国ビジネスを展開するには、誰に商品を売っているかを明確にする必要があります。爆買いの浸透により中国人が買っていることを企業は理解していますが、どんな中国人が買っているかどうか、真剣に考えている企業はまだまだ少ないです。
越境ECの市場は、成長期です。日本でマーケティングをすると同様に、中国でモノをうるためには、チャネル開拓や手続きだけに注力するのではなく、誰にうっているのかを真剣に考える必要があります。
既に、中国展開を行っている企業(特に正規品販売)は、本土での売り上げの頭打ち傾向があります。これは明らかに国内、越境ECの影響によるものです。チャネルを開拓した後に来る課題は、商品の差別化です。
越境ECを展開する際は、 誰が御社の商品を購入するのかを今一度真剣に考えてみてください。
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