インドネシアバリ島では1年に1回Nyepi(ニュピ) と呼ばれる日がある。
ニュピ(Nyepi)とは、日本でいう正月です。2015年3月21日がニュピの日です。 サカ暦の第10の月、サシー・カダソーの1日目に行われる行事で、この日は外出、労働、灯火の使用、殺生などが一切禁じられ、一日静かに瞑想し世の中の平和を神に祈る日です。
このニュピの前日は月が隠れるティルム(暗月)の日で、冥界のヤマ神が大掃除をするので、悪霊プト・カロが地界を追い出され地上に這い上がってくると言われています。各家庭では鍋釜を打ちならし、家に入り込んだ悪霊を追い出し、各村々ではオゴオゴと呼ばれる鬼の張りぼてを作り村を練り歩きます。
このニュピの4つの禁止事項(外出、労働、灯火使用、殺生の禁止)は、バリヒンドゥー教徒だけでなく、バリ島にいるすべての人々、外国人観光客も含まれ、飛行機もトランジットや緊急以外はすべて欠航となります。
このニュピは太陰暦であるサカ暦に沿って行われるので、年によって行われる日が違いますが、西暦の3~4月に毎年行われています。
本当に1日中真っ暗です
ニュピの当日は、一切外出することが禁止されています。世界中から観光客が集まるバリ島は、ニュピの日だけは、一人も外出していません。街はガラガラです。地元の若人がセキュリティとなり、町中を監視します。普段ヒンドゥー教徒でやさしいバリ人もこのひだけは、なぜか、心が鬼になっている感じがあります。
観光客も同様に、一切外出することは許されません。2015年3月21日が2015年のニュピの日にあたります。実は旅行日程に、この日が含まれている場合、旅行代金が通常よりも30%以上割引されています。
トランジットや緊急以外の飛行機の離発着は禁止され港も閉鎖されますので、バリ島への行き来もできません。
ニュピ当日はホテルやバンガローなどの宿泊施設から外には出られません。もちろん、レストランやスパ、アクティビティなどはお休みとなります。
宿泊施設内であれば部屋を出て庭やプールなどで遊ぶ事は自由です。また、宿泊各向けに併設のスパ、レストランの営業をしているホテルもありますので、ホテル内にいる分には不自由はしないでしょう。
レストランを併設しているホテルならば、食事の対応は可能ですが、レストランのない小さなホテルやロスメンなどに滞在する場合は、パンなどの食料を買っておきましょう。
ホテルの部屋内であれば灯火の使用は大丈夫ですが、部屋の外に明りが洩れないよう注意しなくてはいけません。
また、大声を出したり、大きな音で音楽を流すことは禁止されています。また、ニュピ当日はTV,ラジオも放送休止となります。
ニュピを楽しむ
一年に一度だけのニュピは、何もしないことを満喫していただきたい。その日は、一切電気が使えないため、夜空に浮かぶ星の光はとても輝かしいです。日本では味わえない、自然を肌で感じて頂ける日が、実はこのニュピです。
ニュピ前日の夕方から街中ではオゴオゴのパレードがあります。宗教行事のため、パレードに参加するには正装をする必要がありますが、見るだけなら普段の格好で全く問題ありません。
ニュピ当日は、宿泊施設からの外出はできませんが、ホテルのプールや庭の使用は問題ありません。