ロンドンでとんこつラーメンが暴れています。
日本食はイギリス人のおなかの中へ
ロンドンではいま、とんこつラーメン店に長い行列ができている。数年前から徐々に増えてきたところに昨秋、「一風堂」「金田家(かなだや)」という福岡を拠点にする二つの有名店が、中心部の同じ通りを挟んで相次いで開店し、ブームに火がついた。
「スープの『ウマミ』ですよ」とラーメン通の英国人が人気の理由を説明する。濃厚でクリーミーなとんこつスープが受けているようだ。長い行列に並んでにぎわう店に入った。麺の硬さは、固ゆでの「バリカタ」、それより硬い「ハリガネ」も選べる。おいしい。本場・福岡で勤務していた時に食べていたものと変わらない。「ここは福岡か?」
ただ一つ、違うところがある。マナーにうるさい英国人。麺は、ズルルっとすすらない。静かに口に運び、スープも音を立てない。
ラーマゲドンってなんですの?
爆発的ブームは、小惑星の地球衝突の危機を描いた米映画「アルマゲドン」をもじり、「ラーマゲドン」とも言われている。
出典:読売新聞
博多一風堂とは?
1985年に河原成美(かわはら しげみ)が創業。「怖い・臭い・汚い」と言われていた1980年代の博多ラーメンのイメージを覆し、女性が一人でも入りやすいスタイリッシュで清潔な店舗と、豚骨特有の臭みを排しながらも濃厚な深みのあるスープや研究を重ねた自家製麺が特徴。
店名の「一風堂」には、「停滞していた福岡や九州のラーメン界に一陣の風を吹き込みたい、時代の変化に即した変革を起こしたい」との思いが込められており(「と説明しているんだけれども、好きなバンドの名前にちなんだ、というのが本当のところ」(産経新聞「話の肖像画 「博多一風堂」創業者 河原成美(2)」))、その名の通り、豚骨ラーメンだけでなく、醤油や味噌など様々な味わいのラーメンを創り出している。
2001年から行う、素材も器もすべてその1日のためだけにつくりこむ創作ラーメンイベント「四季のラーメン」や、2003年から小学校の体育館などを会場に、児童にラーメンやギョウザを"つくる喜び"を伝える食育活動「一風堂ワークショップ」などを通じて、笑顔とありがとうを世界中に伝えている。
一風堂の評判はこちら
http://oryouri.2chblog.jp/archives/7109086.html
金田屋とは?
8月27日(水)、地下鉄トッテナム・コート・ロード駅より徒歩数分の場所に位置するセント・ジャイルズ・ハイ・ストリートに、新たなラーメン店「金田家」がオープン。20席強しかないこぢんまりとした店内には、開店と同時に多くの人が押し寄せた。
金田家本店は2009年、福岡県行橋市にオープン。濃厚でクリーミーなとんこつラーメンが話題を呼び、グルメ・サイトの「食べログ」では、2012年と2013年の2年連続で「福岡ベストラーメン」第1位に選ばれるなど、地元でも人気のラーメン店だ。
海外では、香港に続き2店舗目となる金田家ロンドン店。シェフは日本の本店で修業し、ロンドンでも確実に日本の味を再現できるよう、オープンまでの期間に何度も試作を重ねてきた。満を持してオープンした初日の夕方には、多めに用意していた自家製麵が完売するという盛況ぶり。次の営業日からも昼夜を問わず大勢の人々が行列を成すほど、一夜にしてロンドンで話題のラーメン店になった。
18時間かけて、スタッフがスープを煮込みます。
金田家のラーメンは、「オリジナルラーメン」「もやしラーメン」「チャーシューメン」の3種類のみ。長時間じっくり煮込んで作ったとんこつスープは、奇麗な白色で泡があるのが特徴。肉独特の臭みはなく、まろやかな口当たりが食欲をそそり、濃厚なスープも麺もスルスルと胃の中に収まってしまう。麵は細麺で、固さも「普通」「固め」「ばりかた」から注文できるのもうれしい。チャーシューときくらげ、のり、ねぎという3種のラーメンに共通のトッピングのほか、別途半熟たまごやスパイシー味噌、黒ガーリック・ソースといったトッピングも注文できるので、自分好みの味を追求するも良し、毎回微妙に違ったアクセントを楽しむのも良し。
また、一杯では満足できないときには、替え玉はもちろん、オリジナル、梅、鮭の3種類から選べるおにぎりも注文可能。飲み物には、水やお茶のほか、少し懐かしい感じがするラムネもあり、いちごやオレンジ味を選ぶこともできる。
ラーメン激戦区のソーホー地区からは少し離れたトッテナム・コート・ロードに店を構えた金田家。ラーメンとおにぎりのみというメニューからも、純粋にラーメンの味を味わってほしいというオーナーの心意気が感じられる。
ラーメン・ブームを迎えたと言われている今のロンドンにおいて、日本の味を忠実に再現することで勝負に出た金田家のラーメンが、在英邦人の枠のみに収まらず、ロンドンの多国籍文化の中に溶け込んでさらなるラーメン・ブームを引き起こしてくれることを期待したい。
金田屋
64 St Giles High Street, WC2H 8LE
最寄りはトッテナムコートロードから徒歩3分ほど
月曜−土曜 12:00 - 15:00, 17:00 - 22:00
日本のとんこつラーメンは、2012年から英国での認知がはじまっていました。味も見た目も日本そっくりそのまま。
本来、グローバル展開する際は、味もサイズも現地化することが海外進出の基本ですが、ラーメンに関しては、 そのまま 日本。がいいようです。
クールジャパンが一風堂を支援する理由
日本の文化を海外に発信する官民ファンド「クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)」は8日、ラーメン店「博多一風堂」などを手掛ける「力の源ホールディングス」(福岡市)に対し、約7億円の出資と最大13億円の融資と、総計20億円規模の資金提供にて支援することを決定しました。昨年11月の設立から、今回が8件目の支援案件になりますが、飲食分野への投資は博多一風堂が初めての事例となります。
今回、クールジャパン機構が力の源ホールディングスに出資する目的として「日本食の魅力を発信する外食事業への出資」が挙げられています。数ある日本食の中でなぜラーメンが選ばれ、その中でなぜ博多一風堂が選ばれたのでしょうか。
ラーメンが日本食の魅力を伝える料理だと認められたことには、やはりラーメンの世界的規模でのブームが背景にあるでしょう。今やラーメンはアジアのみならずアメリカやヨーロッパ各地でも注目を集め、人気ラーメン店には数時間待ちの行列が出来ています。さらに日本からの出店はもとより、現地の人々が経営するラーメン店も増えて多様化してきました。また、海外から日本に来る観光客の多くは、日本で食べたい料理として寿司や天ぷらなどと同じくラーメンを挙げるようになってきました。
2008年のニューヨーク出店以来、精力的に海外出店を続けている一風堂は、これまでに47店舗の海外出店を重ねてきました。さらに今年1月にはクールジャパン事業の一環としてパリで開催された「パリ・ラーメンウィーク "Zuzutto"」でも中心的な存在としてイベントを牽引。12月にもニューヨークで創作ラーメンイベントを開催し、全日空の機内食としても一風堂のラーメンが採用されるなど、これまで積極的に海外へ向けて情報発信して来た姿勢も評価されたと言って良いでしょう
一風堂の海外展開への成功の鍵は、味千拉麺と同じくメニューを現地に合わせていくことはもちろんですが、ラーメン店というソフトそのもののローカライズにありそうです。味千拉麺はメニューの内容こそ現地の嗜好に合わせてはいますが、あくまでも日本のラーメン店のスタイルでの出店でした。しかし、一風堂はスタイリッシュな店舗にジャズのBGM、ホスピタリティある接客など、既存のラーメン店とは異なるスタイルで業界に一石を投じ続けてきた、ラーメン界のトレンドリーダー的な存在です。その国のライフスタイルを上手に取り入れて、ラーメンを入口にして日本の食文化を発信する、いわば情報発信の場としての役割が一風堂には求められています。そのアドバンテージを生かした新しいラーメン店の形こそ、クールジャパン機構が最も評価した部分でもあり、一風堂が欧米で成功する上でも重要不可欠な部分と言えるのです。
出典:THE PAGE
(山路力也 フードジャーナリスト/ラーメン評論家)
2010年(平成22年)6月、経済産業省製造産業局に「クール・ジャパン室」が開設された。中小企業にとって、自力での海外進出には多額の費用と、リスクがつきまといます。現在日本では、国策として、海外進出の全面的なサポートを行っています。
ごくらく株式会社は 海外進出に特化したWEBマーケティング、WEB制作を行っております。