バンコクのドラッグストア事情① ~既に寡占化が進行~
5月にバンコクの市場調査に行ってきましたのでご報告したいと思います。
今回はバンコクで急速に拡大するドッグストアのレポートです。
●国内の経済成長が見込めない先進諸国のドラッグストアが店舗数を急速に拡大している。
●一方で消費者による選別が始まっており寡占化が予測される。
●海外展開は先行優位である。
タイで200店舗以上を展開する BOOTS.
熾烈なドラッグストア市場、消費者意識は既に先進国並み
今回BTSエカマイ駅に直結するゲートウェイ・エカマイというショッピングセンターに行ってきました。同センター周辺にはバンコク在住の日本人やその他の外国人が多くおり、日系のレストランや外資系専門店を中心に展開、2012年7月にオープンしました。
ショッピングセンター内に3つのドラッグストアが出店しており各店舗から競合店まで数十秒で行ける距離にあり、調査にはもってこいの場所といえます。
出店している3社は香港系の「Watsons」、英国の「Boots」、日本の「ツルハ」です。タイ国内にそれぞれ160店舗、170店舗、27店舗を展開しています。
店舗の印象はプロモーション価格が安いwatsons、魅力的なPBのBoots、日本製品を中心とした品揃えのツルハといったところでしょうか?
watsons、価格は安い
Boots、PBとは思えないパッケージと機能
地元の消費者にインタビューしましたがやはりwatsonsとBootsについては価格や商品、店の清潔さなど色々な意見がでますがツルハについては意見が少なく特に印象がないという評価が多いことがわかりました。インタビューして判ったことですが、中国人のように無条件に日本製品を購入するような消費者は少ないようです。
これは自国の製品に全く信用のない中国とは事情が違うことに起因すると思います。日本製品はパッケージが好きとか信用は高いという評価がある一方、高すぎて買えない、タイ製品のほうが香りが好きといった意見もありました。またBootsのPBについては商品をよく理解しており自分の好きなPBブランドを具体的に挙げて商品の特徴や価格について言及する方もいました。これらの意見を聞くと製品の本質を見抜いた成熟した消費環境にすでに達しつつある印象をうけます。
ツルハドラッグは日本型
店舗数を拡大し市場シェアを拡大する地理的拡大のフェーズから既に消費者主導の選別のフェーズに入りつつあり、これは既に日本市場に近い状態にまで達していることを意味しています。ツルハは日本製品を多く品揃えした日本型ドラッグストアをフォーマットとしてますが、消費者は同一商品であれば価格の安い店舗に行くし、製品の特徴や機能が判らなければ買わないという消費行動に変化していますので価格や商品の特徴のない現状のフォーマットのままシェアを拡大することは難しいと思います。
ただし他の日本企業の進出が遅々として進まない中、市場が急速に変化するこのタイミングに既に出店しており「TSURUHA」ブランド育成の土壌を築いたことと「体感的」に市場の変化を感じ取っている強みもあると思います。日本において北の優と言われ、ドミナントやPB開発で成功を続ける同社がこのまま黙っているとも思えません、海外進出の定説である先行優位性を活かし活躍してもらいたいと思います。
次回は「タイのITリテラシーの高さを活用した消費者とのコミニュケーション」です。
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